了(りょう)

このブログは「思想」をメインに扱います。私の場合は思想と云っても決して高尚なものでなく「対話重視の思想」という程度のものです。😓

エミール⑤ ポジティブ思考

>万物をつくる者の手をはなれるとき すべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。

人間に裏切られて人間不信に陥(おちい)る者はいるだろう。裏切られた経験が人間不信を招くのだから、裏切られた経験が無ければ人間不信に至らず、人間を信じる者は人間の悪口を言う筈がない。人間を信じたことがない人っている?そんな人はいないよね。

ルソーも人間を信じたことはある筈だが、この時は信じていないようだ。裏切られて人間不信に陥ったルソーの嘆き苦しむ声が聞こえてきそうな悲しいフレーズではありませんか。人間に比べれば万物をつくる者はどんだけマシかと切々訴えかけてくるようだ。

ルソーの生い育った環境を善く受けいれることが出来る人はルソーと協調しようという気持ちになれる。罰するより温かく包もうと心がけることになる。そうするとルソーを罰そうとする人は‥例えば人間不信に陥っているヴォルテールなんだとも理解できる。

旧約には人間(アダム)がエデンを追い出されて荒野に移り住んだと書かれていて、「荒野は好いものだなあ」なんて誰も賛嘆していない。荒野は切り拓いてこそ好いものになると書かれていないか!? しかもルソーを護るものは荒野だけだった事実は重要ですね!?

幼くして荒野(≒他人のなか)で生き永らえたというルソーの記憶は荒野を受容れることに繋がる。孤児院は神がいてきっと温かいだろうと思いたい気持ちもあった。憶えてなくても温かい母親の記憶は心のどこかにしっかりと焼きついて残っていたか知れない。

こういったポジティブ思考はルソーを腐らせることから保護して世界に善く関わっていこうと働きかけたのだろうな。負の記憶をも正の記憶に変換することでルソーは己に出来る精一杯で世界へ関わり続け、子供を善く育てたいと願い続けた‥これで合ってる?

私のルソー理解がポジティブであればそれは合っているに違いないのですけどね。😅

ルソーは①自然の教育を善く学んだ経験を生かし、②自然に沿って教えるようにし、③経験に学んだことを咀嚼して応用したのだろうな。自然から学んだことは人間(ルソー)の手にうつるとすべては善くなる。即ち、人間復興と言えないか!?私にはそう思える。

辛い経験、悲しい経験、不幸な過去、こういった負の遺産(記憶)を正へと変換したエミールなのかも知れないな。子どもを善く育てていると言いつつ悪しく染めている失敗は世間に多いかも知れない。今ルソーの教育は世界の常識と謳われているかも知れない‥