了(りょう)

このブログは「思想」をメインに扱います。私の場合は思想と云っても決して高尚なものでなく「対話重視の思想」という程度のものです。😓

エミール⑰ 約款 ‐4

ルソーの女性観を見ておきたい。貴族の男子はロマンチックな恋愛を愉しめるかも知れないが、頼れる身寄りがいない貧しいルソーはそれだけで対象から外れる。この場合の恋愛は私が考えるそれとは異なる。つまり、彼は貴族の恋愛に憬れたのでなかろうか。

貴族の寡婦に可愛がられて多くの教養を身につけられたのであり、下働きの女性との間に子供を儲けても生きるために孤児院へ預けるしかなかったルソーにしてみれば、恋の対象は貴族のお嬢さまに限られたのかも知れないし、だが甘くない現実にも直面した。

50才を目前にした分別ざかりのルソー。若い乙女とのロマンスを今さら夢みるのは虚しいが、もう一度人生をやり直せるものなら本物の恋愛・純愛を実らせたい。そうするとルソーのやり直し人生を託すべき人物(=エミール)はルソーの分身と云うことになる。

都会(パリ)で社交界デビューしても本物の貴族がエミールを仲間と見做さないのは理解する。それを確認したうえで平民の娘ソフィーと出会わす。純愛の相手は平民ソフィーでも好いのか‥ルソーの過去を省みて吟味するのはソフィーに対する真の誠実さゆえ。 

ルソーは昔取った杵柄を生かしてソフィーを虜(とりこ)にする算段もするだろう。結婚を若い二人の終着駅にしてはならず、二人で切り拓いていく未知の旅の始発駅にしなければなるまい。幸福な旅であってこそ二人の新たな日々に意味があるとも思っている。

 欲望を満たすのが目的なら結婚にこだわることなくエミールは恋愛を楽しんで済ますだろう。だがそこには虚しい日々が待っていることもルソーは知っている。人毎に結婚の意味は異なっても、ルソーにとっての結婚は奥が深くて極める意味は際限なく大きい。

さて、私はこのようにルソーから読み解くことができたが、ルソーは「良心に従わなければならない」とか、難しく感じられる要求をエミールに突きつけているように思われるのは、何でかな? (内発よりも)外圧をヨシとしたい西洋思想ゆえだろうか?ハテナ??

当然ですが、私は良心がいけないとか言いたいのではありません。良心云々を云うのであれば、良心の出所を明らめることで私も納得できることはある筈、(何でもいいから)「良心に従え」と言われたらスンナリと腑に落ちないと言いたいが、あなたはいかが?