了(りょう)

このブログは「思想」をメインに扱います。私の場合は思想と云っても決して高尚なものでなく「対話重視の思想」という程度のものです。😓

エミール⑰ 約款 ‐5

どんなことがあっても彼女と一緒にならなければならないとしたら、ソフィーが結婚していようといまいと(中略)そんなことはどうでもいい、きみは彼女を欲しがっている、どんな犠牲をはらっても彼女を自分のものにしなければならないということになる。

上記の翻訳文を読んで思ったのが格言「竜頭蛇尾だ。じっさい、ルソーの原文の意味は翻訳のとおりかも知れない。仲裁人の説明にも不備はあるまい。それなら「完璧なる約款に何を以って竜頭蛇尾なる悪態を吐くか」と責められねばなるまい。実にそこだ!

仲裁人の補足によって完璧になっても上記約款の文章そのものに瑕疵(かし)がある。契約を締結した双方がそれぞれ己に都合の好いように読むとき、悪魔がほくそ笑む。悪魔の契約の目的は契約することだ。締結してしまったら悪魔の勝ち。そうは思わないか?

 欲望がエミールのなかで「最高の掟」となっている‥言ってることは分る。自分が欲していることに抵抗できない者は恐しい罪に陥る‥これも分る。読み手の良心に訴えるのは契約をさせる際の正攻法であり常套手段だろう。良心お人好しの心と読めないか?

ルソーに悪意はないだろう。仲裁人に悪意はないだろう。立会人に悪意はないだろう。だが、悪魔の餌食にされた者が救われることは先ず考えられない。対等の取引でないのです。対等の相手なら無視できても悪魔は奪っていく。悪魔の独り舞台になっている。

いかが?😅